『どうせの、ついでの、また今度』
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お客様は神様の時代は終わった、
だって神様が
そんな意地悪しますか、しがない看板屋を
泣かせたりしますか?
看板屋こそ神様、
かゆい所に手が届く、孫の手のよう
仕事に入って、完了するまで
まるで一陣の風の如く
人はこれを、さわやかともいう、
・・・・っちゃって、いい気なもんだね看板屋、
でも、しかし、それでも
見えないところに精力を傾けてぇ〜と・・・・
あのぅ、看板屋さん
もっと見える所をちゃんとさぁ
それから施主さんに、ちゃんと耳を傾けてくれなきゃ
えっ、何かぁ、マズイところでも、あったでしょうか?
顔?
お、お客様ぁ〜ご冗談でしょう
これでも業界じゃイケ面って定説が・・・・
あっ、今ぁ、笑いましたね、
実に不愉快の極まりダス
何?その定説というものに逢ってみたい?
それがぁ、今、ちょうど、お昼食べに行って・・・生憎・・・
えっ?はなっから、定説などは・・・・・
お、お客様ぁ、わかりませんかぁ、この顔見て、
はぁ?、顔見たから余計にわからない?
ふ〜ん、世の中、そんな無粋な人も、おありなんですね。
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「 ゆるやかに 着てひとと逢ふ 蛍の夜 」 桂 信子
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