『片割れ月・・・』
「あの〜、看板屋さ〜ん」
「あぁ、びっくりしたぁ」
「すいませんが〜・・・・」
「お、お客さん、すまねぇが、もう少し、大きな声で喋ってくれませんかぁ」
「は〜い〜」
「どうも、ちっちゃな声だと景気が悪くっていけねぇや」
「やっぱり、この雨の中じゃ〜、取り付けは無理でしょうかぁ〜」
「あ、あのねぇ、その間延びした言い方も、どうにかなりませんかぁ」
「はああ〜い〜」
「もう、そ、それですぅ、お願いですから、もう、少し下腹に力入れて・・・・・
この雨の・・・・中・・・どうしても・・・・付けなきゃ・・・・
明日じゃ・・・ダメ?・・・・あっ、そう・・・・・」
「明日ァ〜からぁ〜お店を始めたいと思って〜」
「わ、わかりました、わかりましたよ、・・・・雨具つけて・・・・・
しかし・・・・よく降る雨だねぇ・・・・・・」
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この上の写真は工場の事務所です。
ベースしかなかった工場の2階に
4年前に、すべて手作りで部屋を作りました。
鉄骨を溶接して骨組みを製作
これに軽天、ほら、よく踏み抜く天井材ですよ、
壁と言わず、天井といわず、ぐるり張り巡らせて
後から窓と出入口をくりぬいて
天井には蛍光灯(撤去した電材)を、やたら吊るして
壁紙を貼り、フロアーシートを張り
出来上がり、
一年後、工場の一階に同じ工法で
インクジェット出力室を事務所の2倍の広さで作った、
「さすが、看板屋さん、何でも器用だねぇ」
「はい、苦しい時、たま〜に、お札も印刷・・・・(うそ)」
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「半月や 知らんぷりして 秋を聞く」
銀星
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