『鎌倉、逗子、江ノ島、藤沢を旅する』
———–
だ・か・らぁ 最初っから、そう言ってんのに
安けりゃいいんだったら
お客さん、余所当たってくんな
・・・・・と、と、と、、まぁ待ってくださいよォ
そう、はい、そうですかって行かれちゃ
アタクシも商売がやりにくくていけないや、
もう、少し、大人の対応・・・・・
なに?看板屋さんが投げた石?
えぇまぁ・・・ここは、その通りといたしましょ
それで、この二十両で開店に何もかも間に合うセット
うん、十両の分でいい?
お、お客様ぁ〜悪いことはいいません、はい、
ここは、ひとつ看板屋に騙されたと思って、この三十両の方・・・・
なに?騙されるのはイヤだ?安く済ませたい、なるほどねぇ
そんじゃ、こういたしましょ、中ァ取って
二十両の看板、これなんか、どうですぅ〜
うん?なんか気にいらない?第一、値段が気にいらない?
なるほど、そうでしょ、そうでしょ、
んじゃ、アタクシも乗りかかった船、今更、降りるわけにもいきませぬ
この二十両のセット、十五両に、特別出血大サービスで・・・・
なに?もう一声、十両にまけとけ?
そ、そんなぁ、お客様、アタクシはもう、泣いてんですよ
もっと泣け?そして勉強してくれ?
えぇい〜
もう・・・・・・どうしよ。
☆
—
「たちまちに 雑言飛ぶや 冷奴」 相馬 遷子
—
☆