『塔の上の雲』
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私の怒りは私憤に非ず
だけど、何のためのエネルギー なんだろ、
自分にとって得でもない怒りは
鞘に収めて
見て見ぬふりしよう、
それが、できねんだよな、
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遠くからうちの町に看板取り付けに来た同業者
電話口で困った様子
カッティング文字が不足しているので
ただ今、今すぐ切って欲しい
聞けば・・・・・
たくさん、たくさん出てきた
それって、忘れたという次元でもなく
今、切って欲しいいう量でもない
折悪く、私は彼の地
切ってあげようにも、できない
もし、在社だったら???
もしものついでに
私が逆の立場なら、お願いはしないし
潔く出直す方を選んだはず、
「あなたがムリなら、他の看板屋さんを紹介して欲しい」
あ、あのね・・・よほど困ってんでしょうが
何か、おかしい、甘えすぎ(厳しすぎ?)
同業者に逢ったこともない同業者を紹介するのは
非常にムズカシイこと
もしも、彼が「看板仕事人」だとしたら
現場仕事、中断してでも帰社するかも、
おそろしや「看板仕事人」
「看板仕事人」命って、そこまではいってないが
その「仕事人」に対する私の気持ちに
翳りが見え始めているのも確かなり
老兵は消え去るのみかも。
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「菜の花に 半ばや埋む 塔ひとつ」 和及
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