『櫻、散りぬるを・・・』
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お〜い 銀ちゃ〜ん、
もうォ、さっきから呼んでんのにィ
どうしたい、いったい、その冴えない顔は
もっとも、冴えないのは、生まれつきなんだろ
「あ、あのねぇ〜大きなお世話のこんこんちきだよ」
何だよ、そんなにムキになってさ
まぁ聞いてくれますかぁ〜
うちの長屋のお花見のことなんですよ
あぁ海辺大工町の
その長屋の花見なんですけど
何となく「落語」に出てきそうな話だな
しかもオチのない話じゃ・・・・
そ、そんなんじゃないんですよ
お酒、み〜んなで持ち寄って
酒の肴は、そこはそれ「小噺」ひとつ持ち寄るってコトで
・・・・でどうなった
それで酒を七人が大きな瓶に入れたまではよかった、
ふ〜ん
水くさい酒ならまだしも
純粋な水だから驚いた
・・・・ったって、銀ちゃん、お前さんはどうだった
俺、俺ァ、まぁ一人くれぇは水割りってことで、ご勘弁願えればァ〜
それが、七人が七人、み〜んな水
ここは、ひとつ、責めたりもめたりしねぇで
お花見の席だぁ、水に流そうってことで
うまい、
ありがとよ
だけど、まさかぁ、この噺が・・・肴じゃ・・・ないだろね
あはぁ、・・・・当たりィ
なぁ〜んだ、また、オチない噺?
あ〜バカバカシィ
お後だって、よろしくないでゲス。