『振り返らない看板屋』
我、人とともに辛くて、悲しく、厳しく
そして、やり切れない思いばっかしの
今年が過ぎてゆく
来年こそは、楽しくて、嬉しいことばかりの
そんな希望を背負って来てくれる
「もっと光を」
元気のない銀ちゃんは銀ちゃんに非ず
だから、
無駄に元気な64歳の看板屋銀次郎であり続けるために
言いたくもないダジャレを言い
黙っていたい時もあんのに
無理やり口を回転しなければいけない苦しみ
わかりますか?
うぅん、
気がつけば、何かしら口をついて
勝手に言葉が駈けっこしているだけでしょ、
*******
み〜んな、よく、がんばってるよ、
ほんとに、エラい
僕も、みんなに負けないよう
時代の風に向かって
猛然と進んで
少し、笑みを含んだ顔で
「え〜、看板はいりませんかぁ?
できたて、ホヤホヤの看板だよォ〜、
安いよ、安いよォ〜
んにゃ、普通の値段だよぉ〜」
誰か買っておくれよぉ。
☆
☆