看板娘

昔は仕事は紹介が大半でした、

ただ、僕は飛び込み営業を苦にしないので

せっせと名刺を配ったものでした、

やがて、その効果が表れ

チラホラ仕事が舞い込んでくるようになりました、

十円硬貨ばっかり握って

公衆電話から電話セールスもやりましたが

こちらの方は

余り、いい反響はありませんでした、

それはそうでしょう、

見たこともない、どこの誰かも知らない人に

おいそれと看板の仕事を依頼するわけはありません、

それが、今では

ホームページという最強（？）のツールを

バックに仕事を獲得する時代になりました、

こちらから、コンタクトしなくて

ただ流していれば

向こうから、メールや電話がかかってくる

俗に

掴みはOK

あとは、お喋りだけでいい

そういうことなら、

がんばろっと。

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看板の現場の下見に行くと

まず、駐車場を探します、

頭から車の置く所などない前提で

広々とした現場は精神的にもゆったりします、

反対に、警備員のような人が、付きっきりで何か言う

うざいけど、無視するわけにはいきません、

彼も仕事なのだから

昔、現場に着く途端

缶コーヒーを関係者に配りまくっていた工事の人がいました、

缶コーヒー1本で人の気持ちが変わるのを

目の当たりして

たかが、缶コーヒー１本

されど、缶コーヒー１本

ずっと前、手ぶらで

ビルの管理者に工事の前挨拶に行きました、

いきなり、箇条書きのような、文句じゃなく、

説教でもないことを、とうとうと話されて閉口したものでした、

それから本工事に行った際

その方に、手土産のおせんべいを渡しました、

そのあとは

笑顔しか見なかった

たかが、手土産

されど、手土産

だって、逆の立場なら

嬉しいですもん。

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たった一口４万円で購入した馬が

来月6日にフランスの凱旋門賞に挑戦します。

これって、

宝くじに当たるより、難しく、価値の・・・・

栄誉のあることです、

馬歴４８年、普段は馬券も、ほんのちょびっとしか

買いません、

馬が好きで一口馬主になったわけですが

こんな幸運が

あっていいのでしょうか？

あのディープインパクトもオルフェーブルも

日本馬は凱旋門賞には勝っていません、

さすがに勝てるとは思いませんが

夢をくださった愛馬に感謝です、

どうか無事に完走してください。

看板と全く関係ない内容ですいません、

こんなこと、一生に一度のことだから

つい、書いちゃいました。

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看板屋の仲間も

今まで、いろんな職業を転々として

最後の最期、看板屋にたどり着いて

やめようとしない、

春夏冬である、

飽きがこない

面白くて夢中になる商い

なのだが、

面白さも最初のうちだけ

この商売には、納期という奴がある

そこが、趣味や道楽と違うところ

この納期という大きな障壁

誰かのせいで、大切な日にちがなくなり

ただ、時間だけはスムーズに過ぎてゆく、

世の中で、取り返せないものがあるとしたら

時間と失った美貌くらいじゃないかな

まぁ貧乏人の美貌は置いておいても

時間、時は情け容赦ない

明日は確実に

最早、駆け足でやってくる、

だから

時間だけは大切にしよう！（？？？）

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私の性格上、一番遠い言葉「ストイック」

克己心、禁欲的、厳粛主義

袖も摺りあわぬストイックって

自分に甘かったり、弱い気持ちだと

まぁ、無理な世界

願望や憧れはありますよ

お客様から

これこれ、こういう看板を、この価格で、何日までに・・・・

私、眉ひとつ動かさないで

「畏まりました」

そんな、やり取り

出来るはずもなし

憧れは憧れで

現実は、ウロウロ、オロオロ

まぁ、

ストイックって

私の反対側にある

そう悲観しながら

とりあえず、前へ。

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うちの近所の年上のお兄さん達が

妙に看板屋さんに奉公（？）していた、

そりゃ、絵を描くことや

漫画描くこと、レタリングに惹かれていた

ことはあったが

よく、そのお兄さんたちの勤めていた仕事場に

お邪魔しに行ったものです、

そこは、映画の似顔絵看板を仕上げる会社で

ものすごく、憧れたものでした、

年月が経て

気が付けば看板屋さんになっていた、

今じゃ、数字ばっかり追いかけて

憧れや夢は、そっちのけ

つまんない銭勘定で

情けなくも明け暮れております、

あ〜ぁ

あの少年の日を思い出しながら

しっかり、働かんか〜い・・・・と。

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お恥ずかしい話

うちの看板も、そんなに褒められた出来にあらず

なんで？だろ

目を仲間の看板屋さんに転じてみよう

う〜ん、

そんなに、いいとは言い難い看板屋さん仲間の看板

多分

医者の不養生

紺屋の白袴みたいな

人は時として、客観性を失う時がある

あまりに、身近過ぎて

自分の亭主やかみさんの

人間性や性格を理解していなかったり

だから

自分ちの看板を

客観的に作れていないのではないか

ってのが理由〜

そうかな〜

とりあえず

うちの看板を見直そう

客観的に。

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よく、看板屋だと名乗ると

毎日仕事あるの？って質問されることがあった、

こちら側から思うと

なんて失礼な質問なんだと、思ったりするが

どうも、部外者にしてみれば、不思議らしい

毎日、毎日作ったり取り付けたりするほど仕事あるの？

あ、あのね〜

眼を街中に展じてみてください、

何と、雑多な看板の多いことか

ね、こんなに沢山ある看板

作っても、作っても追いつかないくらい

あるんです、

そこで、この看板群を役所が管理しようと

乗り出して、看板継続申請なるものを義務化しようと

いや、もう既に役所はやっておりますが、

その担当者が3〜5名

市の巷に、どれほどの看板があることか

これを、いちいち市役所が５名足らずで、できるわけがない、

一つの看板の書類に対して

やれ、赤い線で囲っていないと電話があり

翌日、地図に方位が入っていないと連絡がある

大丈夫かな？そんな細かなことで

さぁて、この市に何千、何万の看板が存在します、

わずか５名で・・・・・・

２４時間寝ないでやって・・・・・・

それは、余計な事だし

言わずもがな

まぁ、役所としても大変だな

書類掲出に手数料なるものが収入になるとしても

５名で市の数多ある看板の管理など・・・・

やっぱり、

私には、そのことが不思議です。

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昔は、仕事という言葉だけで

遠くに行ったり

寝ないで制作したり

徹夜の文字書きなんて当たり前でした、

とにかく、がっつきました、

働いて、働いて・・・・・・

採算？度外視、

何のために働いてるのかさえ分からず

今日が何日で何曜日なのかすらわからない

とにかく、不健康な労働者でした

お陰様で身体の方は健康でしたが、

中身は病んでいたような働きっぷり

今はとても、そんなことする気は毛先もございません、

あんまり、儲けにならない

納期がタイト

施主の物言いが気にいらない

遠い現場

こうして、今じゃ暇を持て余してるなんざぁ

ざまぁ、ないでしょ、

誰かぁ〜

仕事くださ〜い

えっ、

採算が取れないかもしれないって？

それじゃ

家で寝転んでた方が、ましだぁ〜

だから、また

暇という奴が訪ねてきたぁ〜

あ〜ぁ

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夜間作業で近隣騒音に敏感な施主様

警察の道路使用許可は

だいたい、夜11時から明け方6時までが

どこの警察署でも、概ねこんな感じ

だから近隣の方々が眠りにつくころ

「バリバリバリ」って振動ドリルを

使うことになる、

だからと言って、道路事情などで、昼間させてもらえない

うちの近所だって

道路工事や

電話線、電柱工事などで

夜中、「お〜い、XXXXX~]って大声

うるさいのは、うるさいが

気にはなるけど、大抵、寝てしまうもの

う〜ん

こちらとしても、極力大きな音は出したくない

だから、

どうしても音が出るものは明け方にしようかと思うが

騒音で起こされるのも不快だろうなぁ、

もう、10年くらい前、深夜、看板撤去工事で

リースのユニック車が

いちいち、大きな音声で反応するものだから

ついに警察の方が

「近隣の苦情が来ました、やめろと言えないですが

もう少し、ボリューム落とせませんか

苦情が出た以上、一応来ないわけにいかないので・・・・・

静かにお願いします」

一応「はい」って言ったが

リース車なのでボリュームを落とせなくて

暫く、夜が明けるのを待った記憶があります、

気持ちも、状況もよくわかるだけに

もう泣くしかない・・・・な。

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