『今更ながらの看板屋』
今更ながら
看板屋さんになった理由は
文字と絵を、暢気に描いてりゃ
食い扶持に困らねぇ
好きなことが仕事になって
案外ラクじゃないの?
そんな動機、選択で看板屋さんに
時代は、そんな甘っちょろい考えが、まかり通るほど
ゆっくりとは動いてはくれなかった、
地球の速度より速く
自分の寿命を駆け足で
息をするのも忘れるほど、
せかせか、こせこせ、
思い描いた世界と、全然ちがうじゃん、
手がこてこてになるくらい汚れて
着替えするのも面倒なほど、汗かいて
足の筋肉は
はしごや脚立の乗り降りで悲鳴すらあげている
両手でドリルを思いっきり押して
脇の下と、二の腕が痛い
こりゃ、身体は鍛えられるわさ
衰えてゆく速度にも勝てそうなくらいの
鍛錬というか、自分イジメのような過酷さに
ホントは酔ってるんでしょう、
健全な心は
健全な肉体に宿る・・・・・
健全って
何がって、わかってないのに、
まぁ、無邪気な心は
日々苦しい鍛錬で
磨かれてゆく
そう、思って
さぁ、あと一仕事。
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