『眠れる看板屋』
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いつまでも道化師気取りじゃ
まずいんじゃないの
もう、そろそろ本気だしてさぁ
・・・ンなこと言っても、もう、とっくに本気ダス
えっ・・・・いつからぁ、
かれこれ十年になります、
んなぁ、じゃ・・・こんなものなの?
あれぇ、そんな頭越しに・・・
実は仮の姿で看板屋さんをやってるものと・・・ばかり
そ、そんな仮にも本息にも、あっしの力は・・・・・
どうやら、買いかぶっていたようです、
・・・・いたようです、なんて軽く言われた、あたしの立つ瀬は・・・・
「なかりけり」ですかネ
あ、あのね、他人様に、持てる力を秘してるとか、どうか
そりゃ余計なコトですよ、いくら、あなたが大和川の向こう岸で
大きな看板屋さんを営んでいる同業者と言っても、
そこまで言われる謂れはないと思うのですが・・・・・
あぁ、気にさわったらごめんなさいよ、いつ見ても暢気そうに
落語みたいに、受けないダジャレばっかり・・・・・
おっと・・・そこまで、いくら温厚なアタクシでも・・・・
それに、いままで受けなかったダジャレと髷はゆったコトありませんからぁ・・・・
(あれあれ、足元ばかりでなく、どうも周りが見えてないようだな)
何か言いましたぁ〜
いえ、いえ、それでは松原の方へ帰るとしますか・・・・・
帰っちゃったよ、何か、すっきりしないなぁ。
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「甘い水 苦い水飲む 泣き蛍」 銀星
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