『五月の藍のつきぬけて』
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昔、自動車保険の袖看板ばかり
専門で3年間、さぁ〜合計何本取付たかなぁ
100とか200じゃきかないなぁ
お陰さまで600x2700を一人で短時間に
こなせるようになりました、
南は和歌山白浜、北は京都の舞鶴と
自動車整備会社を、毎日、毎日まわっていました、
ある日、到着してロープ解いて
作業完了まで何分かかるか計ってみました、
もちろん、穴掘り、パイプ(角パイプ100x100)立て込みあり
それが、恵まれてるというか
すぐ横に水道あり、おまけに使っていい砂の山
ついでに適当なグリ石ときた
烈風のごとく鬼神が暴れた結果・・・
な、なんと38分と嘘のような作業時間
これを毎日ひとりで、やってたんだなぁ
若かったというか、飯くうのに精一杯働いていた
まだ、バブルの前の話
盛り土に看板立てて、
すぐの大雨で傾いたり、触っちゃいけない
電気触って停電にしたり
舞鶴まで行って、
看板作業の途中からポツポツ雪
終わって帰る頃には銀世界
帰途の観音峠はブレーキかけるたび
トラックが横向いて
生きて帰れたら、儲けもん気分
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それでも
今より、なぜかしら、儲かったような
そんな懐かしい思い出
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「せつせつと 目まで濡らして 髪洗ふ」 野澤 節子
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