『過ぎし日は、みな美しき』
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「銀ちゃん、何か、おもしろい話ないの?」
「おもしろいって、顔も白くて尾も白いはダメ?」
「あ、あのね、もう少し、まともな受け答えできない?」
「アタクシの中では、大いにまともなんです・・・・ケド」
「もう、いいや、ところでさぁ、ステンレスの看板はなんで、あんなに高いの?」
「・・・・ヤブ棒な会話ですね」
「ステンレスって言うだけで3倍くらいになるけど」
「あの〜平たく説明しますとォ・・・・・・」
「丸くてもいいよ、角が立たなくていいから」
「あらぁ、お客様、素人のわりに、うまいこと、おっしゃいますねぇ」
「変な感心してないで続きを頼むよ」
「鉄は錆びて腐りますが、ステンレスは錆びない腐らない、
したがって、寿命と言いますか、看板のもちが、すこぶるよろしいようで」
「ふ〜ん、じゃ、一生もんだね」
「そう、ですよね」
「それで高いのかぁ」
「医院とか官庁に、よく使われてますよね」
「お金に糸目をつけないわけだね」
「はい、ところで糸目ってわかりますかぁ」
「さぁ・・・・・・」
「昔、小判を幾枚か縛っていた糸のことで、今で言う、札束の帯封ってところでしょうか」
「ふ〜ん、銀ちゃん、糸目や帯封に全く関係ないのに、よく知ってるねぇ」
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「ほほづきの 吊られて灯す 観音堂」 梅田 ゆき
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