『なにくそ魂』
「走馬灯 こころに人を 待つ夜かな」 高橋 淡路女
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「銀ちゃん 、暑いって言ったら罰金百円だよ」
「だって 富次姐さん、こんだけ寒けりゃ・・・・・」
「ふ〜ん、案外、おまえさん強情だねぇ」
「こんな日にゃ、鍋焼きうどん食べて、懐にカイロなんてぇ」
「へぇ〜汗はかかないの?」
「はい、冷汗ぐらいなもんでしょうか」
「その額に光ってるものは何」
「あっ、これ、これは労働の勲章って人様は言ってますねぇ」
「ふ〜ん、そうかい 、それじゃ、いつもみたいに寒〜いダジャレは、どう?」
「いやぁ、ダジャレも、こう、アツ・・・・チチチ、・・・・・」
「どうしたのさ、今ぁ、何とか言ったねぇ」
「あ、あぁ、厚揚げのおでんなんか・・・食べたいなぁ・・・って」
「ふ〜ん、じゃ銀ちゃん、はんぺんと、厚揚げ、どっちが薄い?」
「そりゃ、厚揚げのほうがアツイに決まってますよ」
「あっ、言った、今「アツイ」って言ったよ」
「えっ・・・・」
「はい、罰金ヒャクエ〜ン」
「そ、そんなぁ」
ばかだねぇ〜
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「夏掛けの 男のごとく 頼りなき」 小林 貴子
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