『マンネリは不動の力』
ずっと昔、
看板屋は文字が書けて当たり前の時代、
仕事がないとか、切れるとか
腕に「職」があるので
まさか、腕の「職」が 身体から離れていくなんて・・・
そりゃ、天地がひっくり返るくらい、
文字書いてりゃ、食うことに困りはしなかった
それより、押し寄せてくる文字書き依頼を
どうさばくか、三日三晩、筆を動かしながら寝ながら書いたことも、
お茶、お昼はもちろん、向こう様持ち、
たまに「先生」などと、不似合いな呼ばれ方をして
看板なんて、文字が入らなきゃ、ただの板
文字書きさんが、スケジュールの中心
「あの頃は、よかったなぁ〜」・・・・・遠くをみつめて、
それに比して、今ぁ、どうよ
「文字が書けるって、それが、どなんした」・・・じっと足元に目線、
文字書きを白紙にして
んじゃ、俺には、何ができるん?
大抵の看板屋さんが
み〜んな、同じこと、やれるし、やっている
他社のやってないことをやらなきゃ
生き残れない、
だけど、そうそう、他のことなど、ありはしない、
ここで、看板屋、頭を振って考える
おまえの武器は何?
あなただけに、できることは何?
看板屋、ただ文字書いてりゃよかった・・・・のに、
「えらい、時代になりましたぁ」
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