『寄席の話は・・よせ。』
え〜、本日も、こんなに、たくさんの方に
三流亭銀次郎の高座に来ていただきまして・・・・・
えっ、お前が目当てじゃなく
この後、出てくる小円朝の話を聴きにきた、
だいいち、お前の話は、抑揚もなく山も無い
出てくる登場人物にメリハリがなく
誰が誰に喋ってるか、わからない?
あ、あのね、お客様ァ〜
そ、そりゃ、あたくしも、この世界に足を踏み入れて
まだ僅か
もう少し、長い目で見ていただかないと・・・・
何?民主党みたいなことを言うなって、
高い木戸賃払って、この暑さの中、こうして来て頂いたお客様に
言うのもなんなんですが、
噺家、育てるのも、芽を摘むのもお客様次第・・・・・
なんだって、もう、目ェ、つむる年だろって
あ、あのねぇ、いくら客でも言っていいことと悪いこと、
はぁ〜、そんな話はいいから、早く下手な落語やって
早く終わって、とっとと高座から降りろ・・・・・・
へぇ〜、そうですかぁ、喧嘩売ってんですね、あっしに
よう、ござんす、こうなりゃ
明日の朝まで、ず〜と、あっしが喋り通して・・・・・・
何?お前のネタは「長屋の花見」だけだろって
・・・・・・
お客様ァ、なんで知ってんですぅ〜
この三日間、毎日、毎日、同じ話聞かされて
ほら、このとおり
「あ、あ〜ぁ」あくびしか、でねぇや・・・・・・・チャンチャン。
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「 昼顔や 真昼の海の 鳴るばかり 」 伊藤 晴子
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