『大きにお世話』
久しぶりに筆持って文字書き
時代が筆からマウスへと
ワタシを追いやった、
それまで、毎日、毎日書いて
一晩に看板10枚仕上げて朝を迎えて
乾かぬまま、現場へ
途中ハンドル持ったまま、何度か夢の世界を彷徨う
もう、ペンキが乾かないからぁ〜の
言い訳は使えなくなりました、
だから
目の前を仕事が猛スピードで走り去ってゆく
その尻尾を幾度取り逃がしたことか
早いことは、いいこと?
早くなけりゃ、仕事の、お鉢は回っては来やしません、
限りある時間と、残り少ない生命の刻みとの駆けっこにも
もう、だいぶん、疲れたけど
止まっちゃ負けになるから
呑気に空なんか眺めているヒマなんてありゃしない
寂しいねぇ
味気ないねぇ
ひとふり心の調味料でも振り掛けてやるか、
ちょっとォ、聞いてゆかねぇかい、あっしのヨタ話ィ〜
ん?
時に追い越されちゃかなわないから
今度にさせてもらうって
アアタ、今度っていう日があるとは限んないのも
当世の決まり手だよ。
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「 子を捨てて 来よと青野の 風が吹く 」 保坂 敏子
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