看板娘

ことの、ついでにパッパカパ〜っと

なにもかも、片付けていって

それから

ひとり、ゆっくり

至福の時を

ゆったり、やり過ごす

こんな幸せ、絵に描いてみたいねぇ

ほどほどに

注文が来て

時間に追っかけられることもなく

マイペースで製作して

おっとり刀で届けて

身に余る賞賛の声を受け

決めていた金額より

いくらかでも多く

無理やり押し付けられて

「お客様ァ、あっしは、そんなつもりで・・・・・」

とかなんとか

充分、そんなつもりの無恥なるヤツのくせして

今更、気取ってみても

欲しんでしょ、お金、

次の仕事

「あぁ、それが悪いかよぉ」

何かあったのでしょうか

気持の針が随分と振れてますけど

「いやぁ、これと言って・・・・・・」

もしも、理由を捜すなら

それは「春の罪」 ってことで

胃の腑 に落として、いただきやしょう。

☆

「本当は　　いい奴やんか　　春懺悔」　　　　　　　空豆

☆

看板を作りたい人って

多いんやなぁ

などと、本職にしては、あるまじき言葉、

そりゃ、さぁ

それこそ踏み出した足の先に

必要なのは「看板」

その、お店の発展、繁栄の一翼を担うのが

看板屋さん、

けれども、どうか私の翼を

そう、そうやって飛んでゆけるよう、

情けなくも泣いたりしないよう

「銀ちゃん、おまえさんが、この世の中で一番だよォ〜」

って、大向こうから

「待ってましたぁ 〜銀次郎ォ〜」

そ、その掛け声ひとつで

まぁ半年は

張り切るんじゃ

はい、

単純なんですわ

わかりやすく、壊れやすい

つ、つまりは繊細なんですぅ〜

先妻の子でもなく

戦災にあったわけでも・・・・・・ないのデスけど、

しかし

今日のダジャレ は

いただけませんねぇ〜

☆

「行く春や　　知らん顔して　　ひとりぼち」 　　　　　　　空豆

☆

☆

最近の仕事の傾向？

大きく変わりつつあることに違いはないけれど

そりゃ、お客さまにとって

１円でも安いことは、とても重要だが

信頼できる看板屋さんに出会うことの方が

もっと大切なことのようです。

わが社みたいな看板屋さん？

さぁ〜存外、世の常で

自分の本当の姿は

一番見えてないようだ

でも、私が勝手に決め付けている

世間評価よりは

高い？のでは、

だって

そう思わなきゃ楽しくないじゃん、

いわゆる希望的観測ってヤツ？

まぁ、そんなところでしょ。

************

☆

『虎となり　　鼠となりて　　老いにけり』　　　　　　　　　　勝海舟
☆

ね、だから、アアタ

この世の中に「悪い人」なんて

いやぁしませんよ、

それはね、

アアタの心が

弱いからですよ、

妬みや、僻みや

つまらないことに固執する

ちっぽけな心の軽い病いみたいなもんです、

ためしに

空を仰いでご覧なさい

どうです、

広くて大きくて

星の煌きなんて

荘厳でしょ、

さぁ、

そんなにグチグチ愚痴ってばかりいないで

あなたの敵は

あなたの中に棲んでいる

周りのみんなはいい人たちばかりでしょ、

そう思ったら

明日っから、また、がんばりな

「明日、いいこと」きっとあるから。

**********

『花びらや　路傍の人の　髪飾り』　　　　　　　　空豆
☆

☆

*********

「銀ちゃん、おまえさんは看板屋さんだよね」

「何ですか、今更・・・・」

「おまえさんの看板のデザインはいつも同じだねぇ」

「は・・・・・・・・ぁ」

「何か、こう、もう少し職業人の工夫というか、人様を

うならせるようなものは、できないもんかねぇ〜」

「はァ・・・・・・・（汗）」

「それにさぁ、余ってる色に合わせてデザインするっていうのも・・・何だか・・・」

「はァ・・・・・・（言いたい放題じゃん）」

「それからさぁ・・・・・・」

「まだ・・・・何か・・・」

「作りやすいように都合がいいことがデザインの優先順位に

なってや、しませんかぁ」

「グゥ・・・（耳が痛いや ）」

「好きで毎日看板稼業に精出してんでしょ」

「は、はい」

「それじゃ、もっとさぁ、チャレンジ精神というか冒険しなさいよ」

「はぁ・・・ご意見は、ごもっともなんですが、ひとつだけいいでしょうか？」

「なんでしょ」

「富次姐さんは私のこと、いろいろ言ってくれるのは有難いのですが

あなたは、私の何ざんしょ」

「何って言われても、赤の他人、ただの隣人ですけど・・・・」

「ですよね・・・・・ただの・・・・隣人」

（ただの隣人に、ここまで仕事のこと、とやかく言われなきゃ

いけないのでしょうか・・・・でも、言ってることは、癪にさわるけど

いちいち当たってるしなぁ〜・・・・・・・）

「何、ブツブツ言ってんのさぁ、それで、わかったのかい？」

「は、はい」

「そう、それなら・・・・・まぁ、いいかぁ」

「・・・・・・・（チキショー）」

「あら、何か言ったぁ」

「い、いいえ・・・と、とんでもございませんデス」

「まぁ、がんばって」

「・・・・・・・・（涙）」

☆

☆

『わがままの　　数だけ老いて　　あたたかし』　　　　　柴田佐知子

☆

**********

「のっぴきならねぇ〜」って言葉
好きでゲス、

ついでに「弥のあさって」も

な〜んか、先にいいことがあるような気がしませんか？

********

昨日電話でお問い合わせ

看板の見積もり

とても耳で聞いただけじゃムリ次郎、

そこで脱兎のごとく現場に急行列車

しかし、

けれども、

いかんせん、

現場には、その、はっきりとした資料がない

的確に説明できる、お方が不在

あ〜ぁ

だって、もう開店の日にちが迫っておりますデス

決まれば、いい仕事なのになぁ

のどから出てくる手を喉の仏様に止めていただいて

ここは、ひとつ、勇気ある決断でお断りしよう、

えぇ未練はたっぷり残りましたぁ〜

けれども

未練心に躓いて

哀愁列車にならないよう・・・・・・・・

まだヘルメットの中の頭はソロバンはじいて

ため息ひとつ、

♪♪  惚〜れて、惚れてェ、惚れていながら行く俺・・・・・・・・・

ヘルメットの中は

大声で怨歌だぜ〜。

「あ〜ぁ、欲しかった数字」

酒でも、あおって小さな自分を

慰めてやろうかナ。

☆

☆

『散る花に　夕日たらたら　　酒長き』　　　　　高橋睦郎

☆

☆

今日も5時起き

「朝刊銀次郎」 って呼んでくれ〜

目覚まし時計なしで起きれるのが

うらめしくもあり、哀しくもある、

懸垂幕を三ヶ所にグルっと付け替え

それから

ネットのお客様を三ヶ所訪問

感触、極めて良好、

一ン日 が早いわぁ

朝日を拝んで

気がつけば夕日に礼

折り目正しい看板屋

うぅん、ズボンの折り目のことですやん 、

「銀ちゃん、おまえさんも懲りないねぇ〜」

「ん？・・・・・・」

「そのダジャレのような話だよ」

「富次姐さん、お言葉を返すようで恐縮ですが・・・・」

「何かしら？」

「あっしの日記からダジャレ取っちゃうと、何にも残らねぇんでサァ 」

「あっ、そりゃ・・・・そうね」

「・・・・・・・・グゥ」

☆

☆

「灰のように　　鼬のように　　桜騒」　　　　　澁谷　道

☆

☆

今日は朝四時起きで現場に

漏電補修工事

全〜部あかんやん

銀ちゃん、浮かない顔して、どうしたの？

あっ、富次姐さん、ん〜、どうもこうもないでゲス

そんな顔しないで、色男が台無しだよ、

色男？台無し？営業トークですか？

アハハっ、商売でこんなこと言えるわけないだろ、

んじゃ、マジ？

ばかだねぇ〜、しゃれ、しゃれだよ、もう、真面目なんだからぁ〜

はい、真面目が洋服着て歩いてるようなもんでゲス

☆

☆

「恋の句の　見事な春の　日傘なり」　　　　　　　辻直美

☆

仲間、友達、同業の同志

たくさんの知人のブログがある、

今日の作業の日報のようなもの

今日一日、感じたり思ったりしたこと、

家族のこと

趣味のこと

その人、それぞれが

文章から、顔や表情が浮かんでくる

みんな真面目やなぁ

えらいなぁ〜

それに比して私のブログはどうだろ

ブログって言うのが、おこがましいくらい

駄洒落のオンパレード

でも

我流で、もう7年の日を重ねました

長いことがいいことじゃないけれど

続けることが貴いとばかり言えやしないけど

今の自身の

頭の中を映像のように自分で見ることができる

たぶん

これだろうなぁ、不思議に続いてる理由は。

***********

「花を見て　胸の辛さを　　水で割る」　　　　　　　空豆

☆

☆

仕事仲間でもあり、

ネットの達人（？）のような二人と

春を惜しむ夜の宴

早い話が「吞み会」

いつものように

いろいろと吸収して

私の頭の中のノートは

たくさん、たくさん書き留めることばかり

これが

モチベーションを保ち、更なる意欲、

力となって

商いにはね返ってくることを確信、

それも、

すぐ、たちまち、即だから

有意義この上なし

吞むことも忘れて

頭の中のノートにいっぱい書き残しました。

*********

「花めぐる　一生のわれを　なつかしみ」　　　　　　　　　黒田杏子

☆

☆
*********