『な〜んか、わからへんけど、まぁえぇかぁ』
昼間打ち合わせの時
だいたいのイメージは
無意識のように頭に描いていて
夜な夜な、パソコンを前にして
一人、苦しみのような楽しい刻を奮闘す、
「うん、こいつぁ、うまく出来たなぁ」
って、自分を愛しく励ます、
ただ、世の中が砂糖菓子やチョコレート のように
甘くはないのは、長〜い 人生で学習済み、
それでも、いざ、
「あっ、看板屋さん、それもいいんだけど、私が描いたデザインを
使ってくださるぅ〜」と、計算された色っぽい流し目 、
(だって、こっちは玄人、そちら様はズブの素人、いい度胸してやがんなぁ)
「アハァ、そ、そうですね、新鮮でいいかも〜」
(そりゃ、あっしに鮮度なんて・・・・・千一度なら)
夜な夜な、あぁでもない、こうでもない・・・・は徒労、ムダ、ボツぅ〜
銀ちゃん、がまん、がまん、お金、お金だよ、
胸の中で泣き崩れて、胸の中の男前は台無し、
だけど、けれども、しかし
心にもない笑顔で応対できるのは
成長?大人の証?やけくそ?
お仕事って
お仕事って
身を捨ててこそ浮かぶ・・・・・・・でしょうか?
「あの〜銀ちゃん冷静になって見ても、その娘さんの方がいいような・・・・・・・」
「と、富次姐さん、あっしも、たま〜には、怒りますよ」
「あっ、そう、どうぞ」
(どうぞって言われても・・・・・・なぁ)
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「 髪洗ふ まなくひまなく ある身かな 」 高浜 虚子
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